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大阪地方裁判所 昭和45年(ワ)2512号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕二、本件事故前の原告の受傷

(一) 原告が昭和四一年九月一五日富田林市内において自動車を運転中軽自動車と衝突事故を起し、むちうち症により約一ケ月間入院して治療を受けた事実は当事者間に争いがない。

(二) <証拠>によれば、原告は、右事故により国立大阪南病院において治療を受けたが、同病院における診断によれば、受傷時意識消失があり、後頭痛、頸痛更には長期にわたりめまい、頭重感が認められ、脳波上左前頭部に徐波がいくらか目立つ程度の障害があり昭和四一年一〇月一七日に同病院を退院したが、頭痛、頭重が残存し、同月二五日より大阪府立病院に転院して治療を受けた(但しその治療状況、実通院日数等は不明)こと、しかし症状は必ずしも軽快せず、昭和四三年二月に被告園井製作所に勤務後(本件事故前)も、会社の同僚に頭痛を訴えていたこと、がそれぞれ認められ、右認定に反する証拠はない。

(三) 以上によれば、原告は、本件事故のため頭部外傷、外傷性頸部症の傷害を受け、一一ケ月余に亘る入院と約三ケ月間に亘る通院による治療を受けた(いわゆるむちうち症状特有の症状が続いたため)が、本件事故の態様が前記一の(二)認定の追突事故であり、被追突車同乗の二名の傷害が全治約一週間程度の頸部捻挫であつたことや、原告が本件事故前約二年余前に交通事故により受傷しむちうち症となり約一ケ月間の入院とその後の通院による治療を受けたが、本件事故直前においてもなお頭痛等のむちうち症(外傷性頸部症候群)特有の症状の残つていたことが認められるので、そうならば本事件故後の原告の症状は、本件事故前に受けた傷害による症状が残存していたため、本件事故を契機にいちぢるしく増悪化し、本件事故による通常生ずる範囲を超えて異常に長期間に亘る治療を余儀なくされ、損害が拡大されたものと認めるのが相当である。しかして、このような場合、原告に身体上の特殊の事情があり損害が拡大されるに至つたことにつき事故当事者に予見可能性があつたものとてし生じた損害を全部負担させることは相当ではないので、以上認定の事実を総合し、更に追突等によるむちうち症(外傷性頸部症候群)の治療期間が、通常の場合、経験則上長くともおおむね六ケ月間程度の治療をもつて軽快する事例の多いことなどから、原告の入院期間中の約半分にあたる本件事故後約六ケ月間(昭和四四年六月末まで)の範囲内における損害のみを被告らに賠償させることとし、その余は本件事故と相当因果関係がないものとして認容しないこととする。

(吉崎直弥)

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